2013年9月28日土曜日

Windhand/Soma

アメリカはヴァージニア州リッチモンドのドゥームメタルバンドの2ndアルバム。
曖昧模糊としつつも頽廃と幽玄とした寂しさが同居したモノクロなジャケットがいいね。
2013年にエクストリームメタルバンド御用達Relapse Recordsから。

一口にドゥームメタルといってもいろいろある昨今だが、このバンドはオールドスクールな匂いのするバンド。
伸びたカセットテープを再生しているようなズルズルとしたギターリフが中心になっているあのスタイルだ。とはいえ現在進行中のバンドなので音自体は今風な作りでずずっと野太い。粗挽きの粒子がぎゅっとつまって輪郭がざらついている。リフは昔ながらのロックテイストでチョーキング(間違ってたらごめん。)を多用したブルージィなもの。ベースはリフをなぞるようにうねる。ドラムは重いバスドラに乾いたスネアというメリハリのついたスタイル。変な飛び道具や今風な派手さはないのだが、好きな人はたまらないのではないでしょうか。フィードバックノイズが潤沢なのが個人的には嬉しいところ。

この演奏をバックに乗る歌声がなんといっても魅力の一つ。
デス声やわめき声なんかとは違う、なんとも気の抜けたへろ〜っとした歌声なのだ。
へろ〜っとした歌声でドゥームというとまっさきにElectric Wizardが思い浮かぶが、あれほど邪悪ではない。あれもヘロッとしているがあからさまに悪いことを画策している。こっちはもっと夢見心地なかんじ。ちょっとYobのそれに似ているが、あそこまでサイケというか密教的な雰囲気はない。霞がかかったようなもわっとした感じで、ヘヴィ且つブルージィな演奏に抜群に合っている。けだるく暖かみがあるんだが、同時にちょっと突き放したような感じがあって非常に味がある。
クレジットを見るとボーカルをとっているのは女性なんだそうだ。あんまりにももわーっとしているので全然気づかなかった。うーむ。そういえば高音もあまり苦しそうじゃないね。

基本はオールドスクールな感じなのに、全6曲中1曲は妙にアシッドな感じのするアコースティックナンバーだったり、ラストの長尺の曲(30分)は曲の後半が同じリフの反復と風の音を交互に延々繰り返すような実験性もあって結構面白い。

ぶわあーっとした音圧が心地よい。悪いといよりは怪しい感じで、ちょっと幻想的な感じすらする。
古いスタイルのドゥームメタルが好きな人にオススメ。

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