2013年12月22日日曜日

Bong-Ra/On Your Knees,Motherfucker

オランダのブレイクコアアーティストのEP。
2013年にリリースされた。CD版は日本のMurder Channelから。

Bong-Raは本名Jason Kohnenといって様々なプロジェクト、バンドに関わっているマルチなミュージシャン。その多彩さはブレイクコア、テクノの枠に収まらずなんとかの有名なメタルWikiであるMetallumにも彼のページがあるから驚きだよね。
http://www.metal-archives.com/artists/Jason_Köhnen/72581

今作は2003年にリリースされた彼の2ndアルバム「Bikini Bandits, Kill! Kill! Kill!」収録の楽曲のうち4曲をセルフリメイク、さらにそれらの楽曲の他アーティストのリミックスを3曲収録。さらにボーナストラックを1曲収録したちょっと変わった作り。
最近ブログで紹介しているThe Kilimanjaro Darkjazz EnsembleやThe Mount Fuji Doomjazz Corporationにハマっており、その首謀者の一人であるJason KohnenのメインプロジェクトであるBong-Raに興味を持ち、ちょうど発売されるという訳で買ってみた次第。

実は私、学生の頃にちょっとだけブレイクコア聴いていたんよね。といってもAphex TwinやSquarepusherなどの超有名所から入って、この前紹介したThe TeknoistやらSublight Record(調べてみたらもう無いんだね!)やら、日本だとRomz Recordsのアーティストなんかを本当にかじる程度聴いてたことがあったよ。そんなわけでちょっと懐かしいな、うえへへとまあ抵抗無く買った訳。

さて音の方はというと小賢しい細工なしのブレイクコアであった。
音がでかい。五月蝿い。
ブレイクコアと言ってもかなり広がりのあるジャンルだと思うんだけど、今作では兎に角基本にしっかりとした太いビートが存在して、そこからさらに細かいドラム音が際限なく配置されている。メロディ性は希薄でどちらかというとBGM的なシンセ音が豊富に配置されていて勢いが命。えげつないボーカルやSEが飛び道具的に配置されている。
明らかにビートが中心の音楽なんだが、もはやメタルといってもいい過剰さでもってドラムの音数が半端無い。これだと明らかに過多の状態になり結果五月蝿いのに起伏がないという残念なことになる危険性もあるのだが、洪水のような音楽の中でも基本となる太いビートがあって、それが非常に気持ちいいんだよね。
はっきり言ってIQ低めの音楽なんだけど(もちろんけなしている訳ではないです。)、所謂IDM(いまでもこんな言葉使うのかな?滑稽だったら申し訳ないのだが)に分類されるアーティストの中には凝りに凝った結果インテリジェンスの壁を越えて抽象的な前衛芸術に到達してしまった人たちも多いと思うのだけど(個人的にはもちろん好きな人たちもいる。)、Bong-Raはそうじゃないんだよね。一言で言うと踊れるブレイクコア。出不精の私が言うのもなんだけど、これライブハウスやクラブで大きい音量で聴いたら気持ちいいだろうね。
家でヘッドフォンで大音量で聴いているだけでも気持ちよくて体が動いちゃう。要するに楽しい音楽。曲展開や音作りは決して底なしに明るい訳じゃないんだけど、やっぱり音楽は面白いものだと感心する。

個人的にはやっぱり本人の手による楽曲の方が気に入ったかな。
如何せん曲が少ないのが難点か。オリジナルアルバムにも手を出してみようかな。
この過剰さはメタラー諸兄も結構気に入ってくれるんではなかろうか。
まあぜひ聴いてみてください。

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