2013年12月1日日曜日

Death Grips/No Love Deep Web

アメリカはカリフォルニア州サクラメントの3人組ヒップホップグループ。
なにかとネットで話題になっている彼ら。今回CDが発売されるということでこのタイミングで買ってみた。
2012年に発表された2ndアルバム。私が買ったのは2013年にHarvet Recrodsから発売されたCDバージョインである。というのもこのアルバム、なんだがちょっと発売までに紆余曲折あったようだ。本来は2012年にEpic Recordsからリリースされる予定だったのだが、リリースの日付を巡ってバンドとレーベルの間でもめた結果、バンド側が自らウェブで音源をリークしてしまった。レーベルとしては商品を無料でリークされたらかなわんよね。この後バンドはレーベルから解雇されてしまったようだ。(Wiki読んで書いてますので間違っているかもしれません。)
さらに、買った人ならわかるのだろうが、あまりに過激なジャケットでも有名である。
私が買ったCDは本当のジャケットに、真っ黒いビニール質のカバーがかぶせられていて、二重パッケージになっております。上のジャケット画像はこちら。中身が気になる人はタイトル名で検索してみていただきたい。私はあまりにストレートな表現に笑ってしまった。どちらかというと無邪気な悪ふざけに感じられるけど、不快に思う人はいるだろうね。

さて中身の方はというとエレクトロ分強めのヒップホップですが、だいぶ尖った音楽になっております。
現在のヒップホップはエレクトロ音楽と強い親和性があるけど、あくまでも中心はラップであって音の数はあまり多くない印象だけど、このアルバムではより楽曲に重きが置かれていて、音に関しても所謂ヒップホップからすると大胆な音使いがされているようだ。音の数が多いし、作りが凝っていて結構アバンギャルドである。ドラムのメンバーがいることもあって、土台の音作りも全うなヒップホップからちょっと距離があるように思う。さすがにメタル然としてたたきまくるグラインドスタイルというのはないのだが、リズミカルかつミニマル性を維持しつつ、おかずを入れて主張してくる。とはいえ乗りやすくて気持ちいい。全曲完全に人力ドラムなのかは気になるところ。
さて最大の特徴はラップであって、こいつがくせ者である。ガリガリしてタトゥーだらけの見た目もなんだが異常なインパクトがあるが(動画を見ると動きもなんだか怖い)、かなり特徴的なスタイルである。やたら粘りっけのあるラップで、力の入り方が半端ない。シャウト寸前のそのスタイルはもはやハードコアのようである。性急にまくしたてる用は泣いているようにも聞こえて情念の入り方が半端ない。とはいえ落ち着いているときはなかなかかっこいい。ストレートだけじゃなくて意外に使い分けてくる技巧派で聴いていて飽きない。
特徴的なバックのアンサンブルと合わさって相当かわった音楽を奏でている。曲が凝っているので普段ヒップホップを聴かない人でも楽しく聴けるんじゃないかと。


過激なジャケットは話題を呼ぶが、むしろ本作の評価の障害となっているのではと思ってしまうくらい内容はまじめですばらしい。
今でも無料公開されているのかな?私はアナログ人間なのでCDを買ったが、興味のある人はダウンロードして聴いてみてはいかがだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿