2013年12月8日日曜日

The Mount Fuji Doomjazz Corporation/Roadburn

オランダのジャズバンドのライブアルバム。
2013年にRoadburn Recordsからリリースされた。私の持っているのはCD版。
The Mount Fuji Doomjazz CorporationというのはThe Kilimanjaro Darkjazz Ensembleというジャズバンドがライブでインプロゼーション(即興)を演奏する際の変名である。
そもそもThe Kilimanjaro Darkjazz Ensembleというのは誰なのよ?という質問ももっともである。
The Kilimanjaro Darkjazz Ensembleは7人(サイトによっては8人だったりするので、メンバーの定義が曖昧なのかもしれない。)によって構成され、前衛的なジャズをプレイする集団である。メンバーの中にはブレイクコアアーティストBong-Raとして活動するJason Köhnenも含まれる。前衛的なジャズとは何ぞや?となるとこれは大きな論争が発生することは必死だが、ここでは割愛する。

さてよくわからない音楽を演奏する集団の別名儀でのライブアルバムはかなり良くわからないことになっている。
ジャンルでいうとドローンに近いのではないだろうか。単音が長く続くあのドローンである。ジャズといっているが?これまたもっともな疑問である。
ジャズというとドラム、ベース、ピアノ、トランペットなどで奏でる音楽形態で(メタル同様現在ではものすごい幅広い音楽性を有していることはおぼろげながら理解しているつもりだがあえて)、軽やかかつ陽気。かと思えばテンポを落として、ムーディかつお洒落な大人の音楽。というイメージが(私の中では)ある。
彼らの音楽を聴いてなるほどジャズだね、となる人はなかなかいないのではないだろうか。どう聴いたって暗い雰囲気のドローンである。なんと詐欺ではないかといきり立つジャズマニアの皆様、待ってくれ。彼らは如何せんDoomjazzなのである。ドゥームなのである。かといってメタルではないのだが、紛うことなきドゥームっぷりである。ジャズは?ごもっとも。しかし、よく聴いてほしい。よく聴くとあの悲しそうな音は確かにトランペットでは?然り。何かほかの金管楽器も入っているようだ。確かにトランペットでずっと単音を出せば(息が続くのかな)たしかにそれはドローンの要素がある。
曲は全部で4つ。9分台が1曲、あとは16分台が3曲。
何とも物悲しいバイオリンに導かれてドゥームなジャズ旅が始まる。泣くようなトランペット。時にドラムが重々しくビートを刻む。そして力強いドローン。ドローンといっても最初っから最後まで単音を持続させる訳ではなく、楽器もいくつか種類があり、それが滑るようにちょいちょい音程をずらしていく。曲自体が巨大な反響である。巨大な伽藍にうろんに響く合奏である。きしむような電子音も挿入されて夢見心地。

そもそもジャズは即興演奏の要素が強いと聴く。
ともすればすぐにその音楽性は前衛的な領域に踏み込み、だからこそドローンとの親和性もあるのかもしれない。
ジャズを期待するとビックリすることは間違いないが、暗黒音楽を好きなあなたならハマるだろう。人によっては音楽ととらえることにも抵抗があるかもしれないが、こんなブログを読んでいるなら視聴くらいしたって罰はあたらないだろう。

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