2014年2月1日土曜日

Ildjarn・Hate Forest/those once mighty fallen

ノルウェーのIldjarn、ウクライナのHate Forestというプリミティブブラックメタルバンドのスプリットアルバム。
2013年にOsmose Productionsからリリースされた。やけにしっかりとした厚紙のジャケットが如何にも硬派である。(固すぎてCDを出すのがムズイ。)ブラックメタルいタイトルも雰囲気十分。
なんと双方のバンドともに既に解散していて未発表音源をまとめたのがこの音源とのことです。Ildjarn(イルドジャーンと読むのかな?)は94年、Hate Forestは00〜01年くらいの音源だそうな。ちなみに私はどちらのバンドも聴いたことがなかった。

Ildjarnは91年から05年まで活動していた一人バンド。6曲収録。
これぞプリミティブという感じのシンプルながらもブラックメタルの持つ暴力性に満ち満ちたスタイル。
ポコポコ気味のドラムは早すぎずに疾走。ベースはうねるような弾き方だがたまにハードコアのようなベキベキした音を出してきたりして面白い。ギターは粒の粗いかつ密度の濃い音の作り方で兎に角ノイジー。耳に刺さるように弾きまくる。そこに不気味なシンセ音を効果的にかぶせてくる。ボーカルはイーヴィルなブラックメタルの王道スタイルで悲鳴のような声で割れたガラスのような不愉快な感じがとても良い。音質はそこまでひどくないと思う。十分聴けます。
とにかくギターの音が格好いい。ざらつきながらも半端無い密度で畳み掛けるその様はまるでうなりをあげる嵐の様だ。そこに如何にも奥ゆかしいわめき声が乗ってくるこの邪悪さがたまらん。途中で挟まれるインストも雰囲気たっぷり。

Hate Forestは95年から04年まで活動していたバンド。5曲収録。
こちらもプリミティブなブラックメタル。
ドラムは手数が多く疾走するタイプ。パララララというタム回しが気持ちよい。
ベースはぐるるるるると弾きまくりでなかなかの迫力。
ギターはIldjarnに比べるとまろやかな音質だが、やはりプリミティブに尖り、これでもかというくらいに弾きまくる。シンセの不気味な音が良い味付け。
最大の特徴はボーカルで、このバンドのボーカルはとてもドスの利いたグロウルスタイル。ボーカルだけとったらブラックというよりはデスに聴こえるんじゃないかなという堂の入りっぷりが如何にも恐ろしい。曲中にちょっと速度を落とすパートを入れてきたりして曲作りが結構凝っている印象。

ブラックメタルってちょっと久しぶりだったんだけど、やっぱり良いね。私がどちらかというと大仰なブラックよりこういった初期衝動強めの音楽性が好きなこともあると思うけど。
メタルのジャンルはたくさんあるけど、この寒々しさというのはなかなかこのジャンルでないと出せないような感じがある。
個人的には徹底的にコールドなIldjarnが気に入ったかな。
ブラックメタル好きな人には文句なしにオススメのとても良いCDです!

0 件のコメント:

コメントを投稿