2014年2月8日土曜日

Twitching Tongues/In Love There is No Law

アメリカはカリフォルニア州ロサンゼルスのハードコアバンドの2ndアルバム。
2013年にClosed Casket Activitiesからリリース。
私が買ったのはボーナストラックが2曲追加され、歌詞の和訳がついた日本版で、こちらは日本のAlliance Traxからリリースされています。題を邦訳すると「恋の無法地帯」だろうか…

前にも書いたけど私は彼らの1st「Sleep Therapy」を買って聴いて気に入った割には2ndの発売に気づかずスルー。先日の来日公演はなんとか見に行って、その後注文していたこのアルバムが届きました。

Twitching Tonguesはちょっと変わったバンドで基本はハードコアなんだけど、かなり大胆にメロディアスな曲作りを展開しております。メロディアスなハードコアといったらメロディックハードコア(日本ではメロコアといいますね。)なんじゃ?となる訳なんだけど、彼らはそうじゃない。メロコアというとパンク!という(私の)勝手なイメージだが、彼らはあくまでもハードコア(パンクもハードコアパンクだからちょっとおかしいのは承知なんですけど、ニュアンスの違いと思ってください。)のスタイルで独特なメロディアスさを追求しています。どちらかというと少しドゥームメタルやストーナーメタルに接近した感じというとちょっと想像できるかも。ネットで調べるとオルタナティブロックや(私はあまり納得できないんだけど)ニューメタルの影響も語られているようです。
メタルとハードコアのクロスオーバーというのはもはや当たり前のように(というかもはや一部では判別もつけられないくらい混じり合っちゃっているような気もします。)行われていて、それこそいろんなバンドがいる訳なんだけど、彼らはちょっと変わっている。ちなみにMetallumにも彼らのページがあったりします。

ドラムはメタルほど重くなく、結構ボコボコ叩くような感じでノリが良い。
ベースがギロギロうねうねしたスタイル。余韻が伸びやかでライブで聴くと格好よかった。
ギターはクリアかつ重い。リフはやはりハードコア由来でメタルよりざっくりし、より流れるような変幻自在な印象。
なんといってもボーカルが魅力的で、基本はハードコア特有の吠えるような男らしいスタイル。そこから一転して朗々と歌い上げる歌唱法も堂に入っていてよい。いかにも繊細なメロディと見事にマッチしていると思う。ちょっと特有の若さというかやんちゃさみたいな声質でとても良いね。ささやくようなスタイルも取り入れたりして結構芸達者。
またハードコア特有の男男したコーラスも聞き所の一つ。

各々のパートは文句なしに格好いいが、なんといっても独特の曲作りが最大の魅力。
メランコリックなアコースティックギターや女性のボーカルも取り入れたりしてハードコア精神を保ちつつ新しい要素をどん欲に取り入れている。一言でいうとちょっと憂いのある感じ。陰のあるメロディアスさが明快なブルータリティをもったハードコアの背後に見えるようなイメージだろうか。
ハードコア特有のマッチョさを不器用かつストイックな男性像にきれいに落とし込めていると思います。男らしさはあるけど、なんとなく腕力自慢な押し付けがましい嫌らしい感じはしないんだよね。結構内省的な雰囲気なんだけど、徹頭徹尾陰々滅々とした感じに落ち込まないのは、やはり過剰さを追求するメタルというよりはからりとしたハードコア由来だからでしょう。メランコリックなメロディも激しい曲との一体感があって、わっかりやすいメロディをつけとけば売れんだろ的な違和感はありません。

やっぱり本当格好いいバンドなんだよね。もっといろんな人に聴いてもらいたい。
といわけでとてもオススメなので、ま〜〜〜だまされたと思ってまずは聴いてみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿