2014年4月6日日曜日

Left for Dead/Devoid of Everything

カナダはハミルトンのハードコアバンドのディスコグラフィー盤。
ジャケットが何ともお洒落!
2013年にA389 Recordingsからリリースされた。
私自身は全くこのバンドのことを知らなかったのだが、最近紹介したSeven Sisters of SleepやFull of Hellがとても良かったので、リリース元であるレーベルA389 Recordings所属のバンドをチェックしている中で見つけた。
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996年から1998年というかなり短い活動期間にも関わらず伝説的なバンドのようで、バンド解散後メンバーはCursedやBurning Loveなどなどのバンドで活動しているようだ。

ジャンルとしてはハードコアなのだろうが、ほぼ全編暴力的な速度で突っ走るバンド。曲の速度は速いし、楽器陣の演奏はかなり重ためだが、グラインドコアの様なメタリックさは希薄でファストコアやパワーバイオレンスに近い。例えばニュースクールハードコアのようなメロディアスも皆無で、ひたすらがなり立てるタイプ。
ドラムは低いバスドラと対照的に比較的軽いタムがタスタス連打されるパンキッシュなスタイルでビートが気持ちよい。
ギターが面白くて基本はハードコアの雪崩のように弾きまくるスタイルなのだが、要所要所で繰り出されるリフが格好よい。メタリックというよりはハードコア由来なのだが、妙に耳に残るキャッチーかつグルーヴィなリフが印象に残る。フィードバックノイズも多めなのは個人的に好印象。たまに現れるちょっとスラッジっぽいパートもギターの音自体が結構重めなので迫力があって良い。ギターが2本いるので、重たい音に突き刺さる様なノイジーな高音をかぶせてきたりして意外に技巧派なんじゃないかとも思う。
そしてボーカル。これは吐き捨てるようなハードコアスタイルで終始叫びっぱなしのブチ切れたスタイルで、こちらもギター同様単語を吐き出した後の伸びがとにかく格好よい。適度にしゃがれていて、迫力満点!ハードコアスタイルのボーカルはデス声に迫力で劣ると思っている方がいたら是非聴いていただきたい。メタルのボーカルではなかなかこのやけっぱち感は出せないのではなかろうか。
曲はすべて1分台かそれ以下でぼんやり聴いているとあっという間に次の次の曲にいっている。スタイルはラフかつシンプルだが、曲は短いながらも展開が面白くて結構詰め込んでいる印象。ちょっとカオティックハードコアのような雰囲気もある。
「すべての欠落」というタイトル通り破滅的な音楽で、地獄に向かって一直線に急降下していく様な、崩壊寸前の危うさの様な緊張感が全体に漂っていて、殺気が半端無い。焦燥と怒りがそのままバンドアンサンブルにのって飛び出した様な凄まじい音楽で聴いていると、なんかこう熱いものがこみ上げてくるようだ。

という訳で滅茶苦茶格好よいハードコア。
劇的にオススメですよ〜。


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