2014年8月3日日曜日

Nightfell/The Living Ever Mourn

アメリカはオレゴン州ポートランドのデス/ドゥームメタルバンドの1stアルバム。
2014年にSouthern Lord Recordingsからリリース。
Nightfellです。誰よ?となりますね。1stアルバムと言っても新人ではないパターン。気になるメンバーはドラムとボーカルがTim Callという方でこの人はAldebaran(アルデバランといったらクトゥルー好きな人はニヤリとするワードかも。)というバンドに所属していてMournful Congregationにも参加していたりとドゥーム畑の人のようだ。もう一人はTodd Burdetteという人でこの人はクラストパンクバンドTragedyでギターボーカル。私はこのToddさんが以前にやっていたHis Hero is Gone(バンド名が格好いい)というバンドが結構好きで、特に1stアルバムに入っている「Raindance」という曲は超格好よく未だに良く聴いている。で、その人が参加しているバンドのデビュー作ということで買ってみた次第。

ドゥームメタルとクラスとパンクの人がタッグを組んだ訳だけど、結果的には速度遅めのデスメタルになっている。
ドラムは一撃が重くどっしりしたスタイル。そこに音が分厚いギターが乗っかるスタイルで、とにかくこのギターが良い。出身も関係あるのだろうと思うのだが、刻みまくる様な伝統的なデスメタルしたるとは少し違う。ハードコア、そしてブラックメタルに少し通じる様なところがある演奏スタイルで、音は分厚くシャープなのだがソリッドというには少し粗い感じ。重さ一辺倒の低音ではなく、中音域を多用したフレーズが出て来てそれがたまらない魅力の一つになっている。トレモロリフはブラックメタルというよりはやはりハードコア由来なのだろうか。アタック後にずわわわ〜と伸びる様なフィードバックがドゥーム感満載でとても良い。速いパートでは疾走感も十分だが、基本はギリギリ低速くらいの程よいスピードでもってズンズン進む様なイメージ。
ボーカルは低い容赦のないもので吐き捨てる様なスタイルはやはりデスメタルに親和性があるように思う。
面白いのは無骨ながらも所々に光るメロディであってこれがハードコアでありつつも、結果的に曲をとっても魅力的なものにしている。メロディと言っても歌に反映されない様なフレーズであって、しかもそれがとても陰鬱であるからたまらない。暗いメロディである。グルーミーである。
随所に垣間見えるちょっと普通ではない感は曲作りにも反映されていて、トレモロリフなんかもそうなんだが、もっと大胆にアコースティックギターを取り入れて、曲によっては男臭い詠唱めいた合唱がはいっていて完全に怪しいフォークになっていたり。それがまたすごみがあるもんだから意外にすっと聴けちゃうのがさすがなところ。

派手なバンドではないのだが、1曲1曲が格好よい。世にデスメタルバンド、暗い音楽を演奏するバンドは数あれど、なかなか陰鬱さを演出するのは難しい。そこをこのバンドはデスメタルのもつ素直な格好よさを保ちつつ、独特の憂鬱さを醸し出すことに成功しているように思える。
とても格好いいな!オススメ!

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