2015年1月11日日曜日

The Donor/Agony

日本は石川県金沢の3人組ダークハードコアバンドの1stアルバム。
Sec Dimensionという解散してしまったバンドのメンバーの方々で結成されたとの事。2014年にTill Your Death RecordsとInclusive inc.から共同リリースされた。
色々な音楽好きの方の2014年のベストアルバムにたびたびランクインしていたこのアルバム。遅ればせながら手に取ってみた次第。

ジャケットの”黒”度合いを見ていただければ分かるが真っ黒い音である。
ハードコアを基盤にスラッジ、グラインドコアもろもろの激しいメタルを混ぜ込んでノイズをまき散らした様な激烈な音を鳴らすバンドである。昨今隆盛を見せているざらついた音を鳴らす真っ黒いクラストハードコアバンドに似通ったところがあると言えば、ある程度想像がつくのではなかろうか。すでに海外ツアーもこなしているらしく、海外の激音とがっぷりよっつで取っ組み合いのできる、素晴らしい音です。正直日本でこんな凶悪な音を鳴らすバンドがいるのか!と驚愕。
ギターの音は厚く粒子が粗いざらっとしたもので、そこに湿り気が加わったジャリジャリしたもので迫力のある音が中速くらいの低音リフに映える事。独自の粘り気見たいのがでてぐわーっと空間を黒く染めていくスタイル。たまに見せる高音のきゃらーんと弾くフレーズが良い好対照。
ベースは低くうねるスタイル。ゴロゴロ唸る様な不穏な音で耳に迫ってくる。スラッジーなパートでのぐーーんと伸びる様な弾き方がとにかく格好いい。
ドラムが乾いた中音と重苦しいバスドラが込み合った叩き方で重々しさとある種の軽快さ疾走感を演出してくる。
ボーカルは咆哮といった様相を呈するハードコアのもので、いい感じに掠れていてかつ太い厚みがあって雄々しい。
悪路を踏みしだきながら疾駆する戦車の様な迫力。曲の速さでは爆速って訳ではないのだろうが、体感速度は実際より速めに聴こえるからすごい不思議。そんな速度がどっしりとした重量感と相まって、結果体の中から何か厚いものがわーっとこみ上げてくる。ミュートを使った叩き付ける様なリフが重いドラムの一撃とシンクロして楽器全体でパーカッションの様な一体感を生じさせているパートがあるんだけどそれが個人的にはとてもツボ。(7曲目とかヤバいっす。)疾走の後の放心した様なスラッジパートも非常によかです。フィードバックノイズも多め。ビリビリした緊張感をはらんだシリアスな空気が一切減衰せずに録音された音から伝わってくる凄まじさ。
11曲目のように黒さの中にも暴力的な曲の中にも叙情性を混ぜ込んでくる新境地みたいな曲があって個人的にはすごい気に入りました。

つーわけで噂通りの激音でした。
ものスゲエ。まだ聴いていない人はむしろ幸せですよ。買って聴きましょう。
オススメっす〜。

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