2015年2月15日日曜日

TechDiff/The Black Dog Released

イギリスはイングランド、シェフィールドのテクノアーティストによるEP。
2011年にPeace Offからリリースされた。
全然名前も知らなかったのだが、日本のネットレーベルOthermanRecordsのラジオ配信でレーベル所属のDJKuraraさんがかけていたものがとてもかっこ良く、その場でBandcampで買った次第。本当インターネットってすごいよね。木月から購入まで全部ネットだけで成立しているからね。

という訳で私は一時期Aphex Twinからの流れで(私の世代このルートは多いのではなかろうか。)ブレイクコアをほんの少しだけ聴いていた時期があり、今もたまに昔買った音源やら新しく何やらを聴いていたりします。所謂ハードコアテクノというくくりのこのジャンルは兎に角五月蝿いドラミングが特徴の一つではなかろうか。ブレイクビーツを高速でならしつつ、オカズというにはゴテゴテしすぎたドラム音を追加しまくったそれは、時にはその攻撃的な音からドリルンベース(連続しすぎたキックがドリルのように聴こえるからだと思うんだけど…)と呼ばれたりもした。
2011年リリースという事もあってこのTechDiffの音源は上記の様な認識を持っている私にはばっちりハマるカッコいいスタイル。
つまり、基本は五月蝿すぎるビートが主体となり、その上にあまり饒舌ではないメロディが乗る。そして全体的には五月蝿いながらも空間性を意識した奥行きのある、やや空虚な音像で一言で言えばちょっと暗い雰囲気の音楽である。思わずこれっすわ〜これなんすわ〜と口走ってしまったとかしまってないとか。
重たいキック音をベースに最早ドラム?なのか...?というくらい音色豊かなスネアだかなんだか分からん連打が続き、一音一音というよりはいくつかの音の塊自体がリズムになって、五月蝿い中にも独特のリズム感がある。ふっといベースに細かい連打が乗る様は小気味良いの一言で、ギリギリいうこの手のジャンルでは御馴染みのあの手の音も満載。
ベースが主役みたいなところもあるもんで、うわモノは幾分地味になる。わりと重たい感じのシンセ音がぽつぽつした単音もしくは、ドローンがようやっとかすかな叙情性を獲得した様な儚いメロディが乗る。でここは好みの問題だがこのうわモノの空虚さが個人的にはツボで、下地は何やら躁病的に五月蝿いのに上のメロディはグルーミィなのである。この温度差が生み出すハーモニー、とても良いじゃない、という感じなのである。

全8曲だがお尻の2曲はリミックスなので実質6曲か。(リミックス音源も結構良い。)フルアルバムが聴きたいな。(というか今買った。)
という訳で文句無しにカッコいい。王道なブレイクコアが好きな人はガッチリハマる事請け合いの音源なので是非どうぞ。オススメ。

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