2015年5月17日日曜日

Garadama/Garadama Ⅲ

日本は大阪のスラッジメタルバンドの3rdアルバム。
2015年に自身のレーベルFiend's Shrineよりリリースされた。
GaradamaはサイケデリックバンドSUBVERT BLAZEのメンバーだった柿木(かきのき)さんを中心に1994年に結成されたバンド。漢字で書くと餓喇墜魔。クレジットを見るとギター・ボーカル、ベース、ドラムに加えて、さらにコントラバスも弾くベーシストとノイズとメタルパーッカションが一人。
Swarrrmとのスプリット「阿鼻叫喚」を2012年にリリースしていて、私はこの音源シカ持っていない。
今回リリースされたこの音源は前述の「阿鼻叫喚」収録の4曲にさらに4曲を加えたフルアルバム。

音楽的には攻撃的なスラッジ/ドゥームという事になるのだろうが、サイケデリックの要素が強くかなり個性的な音像。
体感速度はそこまで遅くない。中速くらい。曲自体も無意味に長くなく、フィードバックノイズを大胆に取り入れつつもコンパクトかつぎゅっとつまった濃い曲になっている。
静と動を意識した曲作り。とくにクリーンや空間性を意識した空間的なギター音とささやく様なボーカルを入れた静寂パートがカッコいい。爆音パートとの対称性もばっちり。
サイケデリック、ブルーズ色が泣く様な伸びやかなギターソロに現れている。また展開がミニマルでまさにずぶずぶ沈み込んでいく泥沼のような様相を呈している。
ボーカルが特徴的で酩酊した悪鬼の様な邪悪さがある。しゃがれたような、膜を通して聴こえるような幻惑的なもので激しさ一辺倒というよりは不気味さを演出する曲に乗っかるにはばっちり。聴こえるか聴こえないか位のつぶやき、呪文の様な詠唱。吐き出す様なスクリームと幅があって面白い。
とにかくギターの音がかっこ良く、ミニマルにリフを刻む堅実さと、ノイズ寸前で縦横無尽に飛び回る奔放さが渾然一体となって結果深みのある独特の世界を気づいている。ギターが走り回っている時は、ドラムとベースがきっちりリズムをキープしていてこのバンド感がたまらない。これは大音量つまりライブで見たら相当かっこ良いのではなかろうか。
歌詞を見ると割とユーモアに富んだ人を食った様なものでこれも面白い。

東洋的で印象的なアートワークは柿木さんのてのよるもの、Birushanahもそうだが、大阪+仏教+重低音の要素がそろったバンドは外さない法則があるのかも。
欲を言えばもっとボリュームが欲しかったところだが、まあ4曲は事前に知っていたししょうがないのかも。素直に以前に発表されたアルバムを探そうと思う。
というわけで流行に全くとらわれないスラッジを聴きたい人は是非。カッコいい。

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