2015年6月7日日曜日

Adventures/Supersonic Home

アメリカはペンシルベニア州ピッツバーグのインディーロックバンドの1stアルバム。
2015年にRun for Cover Recordsよりリリースされた。
Adventuresは5人組のバンドで編成はドラム、ベース、ギター、ギター/ボーカル、キーボード/ボーカル。今まで2枚のスプリットと2枚のEPをリリースしているが私はそちらは未聴。Deafheavenのメンバーの別バンドWhirrと一緒にライブやったりしているようでそこら辺からも何となく音の方が予想つくかも。
写真を見るとどこかで見た事あるメンバーがいるだけど、それもそのはずで何とこのバンド5人中の3人が激音ハードコアバンドCode Orangeの面々(ドラムとベースとギター/ボーカル)。たしか10代でデビューしているからまだめっちゃ若いはず。

さて音の方はというと基本Code Orangeとはかけ離れているインディーロックをやっていている。個人的には全然違う事をやってくれる方が何となく得した気分になるので好き。
同じバンド編成ながらもアルバムのアートワーク通り、暖かみのある色彩豊かで外に開いたロックをならしている。メロディアスで爽やか。
ドラムはぱしんぱしんとリズムを刻み、ベースはロックバンドらしくリズムをなぞるように低音を鳴らす。(よくよく聴いてみるとこの低音部隊はかなりしっかりしているというか前に出てくる訳ではないけど、しっかりしているのはその出自故かも。)ギターはコード感のある乾いたものに、単音のキラキラしたアルペジオがのっかる。キーボードが空間的な広がりをバンド的な音に付与する。
音の厚みはどっしりしているが(勿論メタル的でもハードコア的でもない)最近流行のシューゲイザーっぽさはあまり感じられない。空間的な広がりはありつつも、地に足の着いたロックという印象。
ボーカルは基本Code Orangeの女の子がメインなんだけど、男女のコーラスが頻繁にはいってそれがこのバンドの持ち味の一つであり魅力の一つ。無理矢理気分を高揚させるあざとさは全くなくて、本当自然にメインの旋律をなぞるようにはもってくる様なイメージ。
メインボーカルはちょっとした気怠さを交えつつも、飾らない素直さで歌い上げるタイプでなんといっても、その素っぽさとそして若さにあふれたストレートな強さがよい。インディーロックというとちょっと脆弱なイメージがあったりするかもしれないが(それが魅力のバンドも沢山あると思うが)、このバンドに関しては芯がしっかりしているし、ボーカルは気の強さと言うか反骨精神がなんとなく感じられる。それは何かをぐっと押し返す様な強さを持っていて、それがカッコいい。
リリース時期も相まって初夏のさわやかな風の様な清涼感。
Code Orange好きな人は、どれどれ位の気持ちで聴いてみてほしい。違いに驚くが結構気に入るのではなかろうか。

なんといってもこの曲にやられて買ったんだよね、本当に良い曲。

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