2015年9月21日月曜日

The Thing With Five Eyes/كون

オランダのブレイクコアアーティストBong-RaことJason Kohnenの新しいダークジャズプロジェクトのライブ編終盤。
2015年にSvart Lavaからリリースされた。私は1stEPに引き続きBandcampで購入。

という訳で前回のブログから引き続きのThe Thing With Five Eyes。同時購入です。
タイトルの「كون」は今度はアラビア語みたいだ。先生いわく「母集団」とのこと。アートワークは前作と共通しているところがあると思う。黄色い半球はやはり太陽(光)をモチーフにしているように感じる。
今回はKosmosという1曲だけで構成されている。これは56分もあるんだけど、全部で一つの曲ではなくて13曲を次々と演奏したものをライブで録音しているもの。1stEPからの曲も全部含まれているのだがそれ以外の新曲もたっぷり入っている。ライブ音源と行っても録音状態は非常によろしいので普通のスタジオ音源とそんな遜色無く聴ける。(分かる人が聴いたら違うんだろうけど)
ライブだからか未発表曲がそうなのか分からないが、前作に比べるとドローン成分が増している。地のリズムトラック部分がまるまる存在しないアンビエントパートも結構あって、余韻のあるドローンが渦を巻いているように非常にゆったりとその流動的な体を伸縮されている。面白いのは不穏や不安という分かりやすい感情を超越している、ある種の超然とした感があってそこが何とも言えないのである。ここを言葉で表現できたら良いのだが私の語彙では無理だ。でも表現できないものが存在しないかと行ったらそんなことはないのだろう。ここは是非色んな人に聴いていただきたいところだ。Salemという曲名もあったりしてより中東感のあるフレーズが目立つ。このプロジェクトの魅力の一つにかなりソリッドなジャズの土台(ドラムとベースが作り出す低音部)にドローンを始めとする曖昧模糊としたうわものをのっけたその対比があると思う。地に足がついているのか、糸の切れた凧のようにふわふわと浮遊していくのか、どっち付かずで揺れ続ける危うさというのあってそれがたまらなく快感である。

NYPで公開されているのでまずは視聴してみてはいかがでしょうか。ちなみにお金を払うとどこかに寄付されるようですよ。私はやっぱりかなり好きです。

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