2015年12月31日木曜日

JK FLESH/Nothing is Free

イギリスのミュージシャンJustin K Broadrickによる電子音楽プロジェクトのEP。
2015年にAvalanche Recordingsからリリースされた。
「タダより高い物はない」というタイトルでBandcampでNYPで公開されている。
なんだかおっかないので幾らか払って購入。(基本NYPは払っていくスタイル)EPながらも9曲も入っている。(ので感想かいてみる)
しかしJKでFLESHときたもんだ。フヒヒさすが先生分かってらっしゃる!というクソみたいなネタを挟みつつ(盗んだ制服に身を包みながら)、このプロジェクトはHydra HeadからリリースされたPurientとのスプリットしか持っていない。本当は一個前に「Posthuman」というアルバムをリリースしているがこちらは未聴。

インダストリアルなノイズにまみれた硬質なダブというのが第一印象。さすがにもう元Napalm Deathという形容詞も微妙だが、メタル/ハードコアの轟音からjesuの美シューゲイザーやら、The Blood of Herosのダブヒップホップ、Grey Machineのノイズメタルなど五月蝿いという共通項でもって多彩なジャンルで八面六臂の活躍を見せる先生。そのノイズ才能を活かしたのがこのJK FLESH。御馴染みの地鳴りの様なノイズもキッチリ収録されていてニヤリ。(2曲目の冒頭など)
容赦のないインダストリアルな音にうおおと我が身をのけぞらせる事請け合いなのだが、この音源第一印象より大分聴きやすいから驚き。というのもリズムの概念が楽曲にかなりキッチリ組み込まれているので大変聴きやすい。分かりやすいメロディがある訳ではないので一般に言うところの聴きやすい殻は大分隔たっているものの、このバンドに興味を持たれている方ならすんなりと受け入れられると思う。
ぶわんぶわん振動しているようなダブ特有のキックを軸にブレイクビート風の硬質なマシンビートを合わせて来たりとかなり手の込んだ事をやっている。一方うわものは非常にシンプルで不穏なインダストリアルノイズが不穏さを煽る。だいたいがミニマルな展開だが、間とたまに展開を見せることもあって、そこらへんも聴きやすさに一役買っている。そんな構成だから基本的には無骨なビートが主役のプロジェクトだと思う。同じくNapalm Death繋がりのMick HarrisのScornというプロジェクトに相通じるところがあると思った。ビート主体だが、寡黙で流行とは無縁なところは特にそうだ。ただしこちらの方がダンサブルというかもう少し開けている感じだろうか。(特に4曲目なんかはビートが饒舌だからかなりカッコいい。踊れるダブ。)

一見無骨ながらもバランスがとれた良質なダブ。気になっているなら聴いてしまうのが良しと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿