2016年1月11日月曜日

細胞彼女/細胞宣戦

日本の関西を活動の拠点にするアイドルユニットの1stアルバム。
2015年にPoptableからリリースされた。
フロントに立つのはうてなゆきという女の子。
twitterでなにかと話題になりがちなアイドルユニット。結構ハードコアだったりメタルだったりに偏っているフォロワーさんが多い中で色々な方の口の端に登るのが気になり、視聴を経て購入。最近だとOzigiriさんがMixを公開したり(細胞粉砕Mixというタイトルに粉砕するのかよ〜と笑った)、元Megadethのマーティ・フリードマンさんが「細胞彼女は日本のNapalm Deathだ!」と称したとか。元々私はなんとなく良い大人がアイドルとかちょっとな…と思ってしまうくらい頭が古いのだが、群雄割拠のアイドル戦国自体の現在なら彼女(とどちらかというと制作サイド)たちが色々な付加価値を付けてくるのは必然で、所謂正統派がやらないようなことにも手をつけてくる、そうすると色物が出てくる中で面白い人たちが光りだす、というのは自然な流れかもしれない。例えばメタルと融合したBabymetalなんかは(私もライブを見に行ったが)日本にとどまらず人気を獲得している訳です。そう考えるといい加減「良い大人がアイドルとかwww」とか音楽好きですを自称する様な人種が言っている状況の方がサムイのかも知れませんね。(乗るのか批判するのかは自由ですが、さすがに黙殺するのは無理があるのかも。)

音楽としては電子音を主体としたメロディアスなポップソングという事になるのではなかろうか。ただ例えばPerfume(私何曲か持っているのです)みたいに洗練されたものではなくて、具体的に言うと音の数が圧倒的に細胞彼女の方が多い。Napalm Deathと称されるのも頷けるくらいメタルなどの激音を意識した作りになっている。ギターの様な(本当に生音なのかシンセ由来なのかは判別つかないので)がっつりした音の塊が入っている。(5曲目は分かりやすくてこれは完全に流行っぽいメタリックなリフに仕上がっている。)そしてドラムは速く、手数が多い。こちらもさすがに完全に生音風にするとそれはもうメタルにしかならないので(好きな人は好きだろうが間口は圧倒的に狭くなってしまう)、電子音と明らかに分かるものに調整されている。(それでも6曲目なんかはバスドラが非常に重たい。)ただ手数は多い訳で速さも相まって過激なブレイクコアに聴こえる。
モッシュパートみたいなのもあってライブでは盛り上がるかもしれない。(一体どんなになるのだろう)
勿論かわいい女子が歌う訳でデス声なんてもってのほかで速いパートはまくしたてる様な早口で言葉を繰り出してくる。ボコーダーなのかどうかも分からないが曲やパートによっては声にもエフェクトをかける。最大の特徴というわけでもないだろうが、どんなにはっちゃけてもサビだけはひたすらメロディアスでキラキラしていて可愛い。やっぱりアイドル的なカタルシスが必要なんだなと思う。ギャップがある分映えてくるというのもその感を強めている。
歌詞は難しい漢字なんかを織り交ぜながらちょっと可愛い感じ(それとも不思議な感じだろうか?)に仕上げている。これはあんまりアイドル調だと拒否反応を起こしてしまう(私のような)人もいるだろうから、結構よい選択ではないだろうか。あと結構韻を踏んでいて気持ちよい。文学的というか語感の気持ちよさを重視しているのだろう。

普段こういった音楽を聴かないので新鮮。個人的にはとても良いと思います。なんとなーく寂しい感じがする3曲目が気に入ってます。気になっているメタラーはこっそり買ったら良いのではないでしょうか。

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