2016年4月9日土曜日

Gadget/The Great Destroyer

スウェーデンはイェヴレのグラインドコアバンドの3rdアルバム。
2016年に御馴染みの激音レーベルRelapse Rrecordsからリリースされた。
1997年に結成され2枚のフルアルバムをリリースしたがそれ以降活動が鈍化してしまい2010年にリリースされたPhobiaとのスプリット以来6年ぶりとなるフルアルバム。2ndアルバムである「Funeral March」殻数えると10年!恐らく活動を休止していたのだろうと思うのだが。メンバー自体は少なくとも2004年の1stアルバムの時から変わっていないようだ。

私はもうなんでこのバンドを知ったのか分からないのだが、アルバムは2枚とも持っていて(「Remote」は実はボーナストラックを追加した日本盤が出ていてこれをもっている。ボートらはかなりカッコいい。)、今でも結構良く聴く。要するに好きなバンドだったので活動再開と新音源リリースは素直に嬉しく、個人的に期待値もとても高かった。
ほぼほぼ1分台(例外もある、後述)の曲で固められた楽曲はブラストビートをふんだんに取り込んだまさに純正のグラインドコアスタイル。ハードコアの要素は勿論あるのだが、どちらかというとデスメタルが速さに振り切れた様な重厚な音楽性である。
今作でもそのスピードと攻撃性を一切落とす事無く、さらに研ぎすませた作品になっている。思いながらも尖ってシャープ、金属的なギターの音が非常に特徴的。個人的には結構こもっていた2ndよりはクリアになっていて好印象。そして1stより重たい。リフに関してはひたすら突っ走るその音楽性もあってトレモロというかミュートをあまり使わないドリルの様なもの。速く短い曲の中でも印象的なフレーズを贅沢に使うのが彼ら流で、ふんだんに盛り込まれたフレーズがカッコいい。
ボーカルも低音と高音(選任ボーカルと確かドラムの人のはず)2種類あるのもグラインドコア的には一つのかっこよさの典型である。ちなみに今回のアルバムにはそんなスタイルの始祖であるNapalm DeathのBarney Greenwayがゲストで参加している。
さてGadgetの特徴の一つで私が大好きなのが速度を落とした曲が毎回アルバムに何曲か(決して多くないのだが)入れて来てスラッジの要素を感じさせるそれらの曲が滅茶良いのだ。今回も数は少ないがそんな曲がいくつか入っていて、牛歩スラッジというよりはギアをいくつか落とした様な作りなのだが、Gadgetの持つ曲のメロディアスさ、鈍く光る地獄の片鱗の様な陰鬱さの結晶がより濃く表れていて素晴らしい。
とにかく環境表現が豊かで音質と曲はデスメタリックだが、これでもかというくらい感情的なのは結構ハードコア的なのかもしれないな。よくよく聴いてみると怒り以上の感情もとけ込んでいる様な趣があって心が高揚する。

という訳で期待を遥かに大きく上回る素晴らしい内容にリピートが止まらない。とにかくこの手の音のが好きな人に非常にオススメなので是非是非聴いていただきたい。これからも精力的に活動してくれる事を切に願う。

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