2016年5月29日日曜日

VOODOOM/VOODOOM

オランダのダークリチュアリスティック(暗黒儀式的)ジャングルユニットの1stアルバム。
2015年にPRSPCT RVLTからリリースされた。私が買ったのはデジタル版。
新人ではなくオランダのブレイクコア巨人Bong-RaとDeformerがタッグを組んだユニット。私はBong-Raのファンなのでそちら切っ掛けで購入。Deformerは未聴。白塗りというこの方面ではあまりない見た目が非常にかっこ良い。Bong-Raのドレッドは白塗りだと異様な感じがして良いすね〜。アーティスト写真の3人目(スーツ着てオシャレ)の人が多分ボーカルだと思うんだ。ゲスト扱いなのかもしれないが結構全面にボーカルとして参加している。

VOODOOMというユニット名(言うまでもなくハイチのヴードゥー(ゾンビで有名ですね)と呪いを組み合わせたものだと思う)もそうだし、ジャケットを飾るアートワーク、それから儀式的というウリも合わせてるとなんとなく彼らの音楽性もみ得てくるのではなかろうか。
ベテランBong-Raということで基本はかなりかっちりとしたブレイクビートでしっかりとした土台が組まれている。ぶっといビートの中間に撥ねる様なドラムが緻密に組まれているのはいかにもブレイクコアを感じさせるが、例えば曲の速度を過度に上げたり、ドラムンどころがドリルン、のような過剰な要素はあえて排する事でより強固かつタフなビートが完成されている。そこにややもっこりとしたベースが乗っかる。
うわものは非常にシンプルであくまでもビートを中心に志向された音楽だと思う。とはいえダークで儀式的な雰囲気をになう暗いシンセ音も冷徹なマシンビートと対をなして非常にかっこ良い。恐らくビートを抜けば上質のダークアンビエントとしてそのまま着ケルンじゃなかろうか。
このユニットで特徴的なのがこれらにさらに乗っかるボーカルである。ラガマフィン、いわゆるラガというのだろうか。ダブ、レゲエを感じさせるあの独特な歌い回しが大胆にフィーチャーされている。元々ブレイクコアにラガをのせるのは一つの様式であってBong-Raでなくてもこの手法はとられていた(ぱっと思いつくのはKid606やRepeater。私は大分古いブレイクコアファンだな。)ので、流石のセンスと経験でもって非常に上手くダークな曲に調和している。このラガいボーカルの怪しさが儀式さを圧倒的に際立たせている。酔っぱらっている様なリズムがしゃがれ声でがなり立てる。特徴的だがアルバムが進むに連れて中毒になってくる。微妙な反響がかけられていてまさに邪悪な儀式で呼び出された悪霊である。
ラガの要素も色濃いのでダブさも満点だが、いわゆる流行のダブステップ、つまりワブルを聴かせたそれらとは明らかに一線を画す、伝統的なダブを感じさせるものでこれが非常に硬派でかっこ良い。見た目の雰囲気もあって怪しさ満点だが音楽的には非常に真面目きわまりない。ダークである以上に非常にリズミカルで楽しい音楽である。これはフロアで聴いたらきっと盛り上がるんじゃないだろうか。

という訳でとってもカッコいい電子音楽。これはかなりガッチリしていて硬派である。オススメなので是非どうぞ。

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