2017年6月18日日曜日

Entombed/Left Hand Path

スウェーデンはストックホルムのデスメタルバンドの1stアルバム。
1990年にEarache Recordsからリリースされた。
Entombedは1987年にNihilistとして結成され、その後バンド名をEntombedに変更。活動休止や分裂などを経て2017年現在も活動中。いわゆるスウェディッシュな(デスメタル)音楽では大変な功績のあるバンドと言うことで遅まきながら購入した次第。タイトルの「Left Hand Path」は左道のことで右道に対する要するに黒魔術と言うか、よろしくない方の魔術のこと。左利きもそうだけど世界的に左はよくない方向なのだろうか。なんでなんだろね。

聞いてみて思ったのはIneterment(同じくスウェーデンのデスメタルバンド)だな〜、という感じ。まあ順序が逆なんだけど。ブワブワたわませたようなぐしゃっと潰れた音が汚らしくリフを刻んでいくタイプのデスメタル。音質は決して良いわけではないのだが、前のめりに迫ってくる生々しい迫力がある。テクニカルでないわけではないが、もっと別のところを目指しているようなタイプの音で、その後メタルの範疇を超えてハードコアバンドに影響を与えたのも頷ける。ドラムのスッタスッタ刻むリズムも結構ハードコアっぽさがある。Trap Themのアルバムとか改めて聞いてみると「うへー」となること請け合い。何が良いってボーカルが良くてデス声というにはもっと掠れていてしゃがれている厭世スタイルで吐き捨てていく。
クリーンボーカル(呻くようないや感じのはたまに)もメロディアスさもほぼ皆無なわけで、グラインドコアにあるような勢いもないので、非常にぶっきらぼうかつわかりにくい音楽な訳で一体何がこんなにかっこいいのかというと一つは生々しい迫力があること。それから曲自体が優れていること。めまぐるしい技工みたいなものはないのだが、反復的に鳴らされるリフがかっこいい。荒々しい音の作り方もそうだが、現行のデスメタルに比べると結構空間的には隙間が空いた印象。速度の転換は結構あってドゥーミィだがやりすぎなほど遅いわけではないし、後世の発展系の原型が詰まっているようなイメージ。他の楽器が鳴り止んでギターが刻むリフを披露するパートがかっこよすぎる。かなり性急といった感じのギターソロが多め。

今からもう30年近くも前のアルバムだけど古びれた感じはないのでお勉強と言う感じで全くなく聞ける。(さすがに録音はちょっと弱いかなと思うけど。)デスメタルというジャンルも時を経て進化を続けているのだが、この音源はデスメタルの核心をついたアルバムなのかもしれない。「スウェディッシュ」という言葉がきちんと確立しているのだが、なるほどこういった音源があったからなんだなと実感する。いろんなスウェディッシュを今でも聞くことは多いので、そういった意味でもまだ聞いたことない人は聞いてみると面白いのではないかと。

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