2018年4月23日月曜日

Sentence/domination on evil

イタリアのハードコア/メタルコアバンドの1stアルバム。
2000年にDark Sun Recordsからリリースされた。私が買ったのはその後2003年に日本のAlliance Traxから再発されたもので、ジャケットが一新されてボーナストラックが2曲追加されている。5人組のバンドで1997年に結成、2007年には解散している。
Arkangelに触発されて前回紹介したReprisalと一緒に買ったもの。いわゆるフュリー・エッジというジャンルでは有名なバンドのようだ。ReprisalもこのSentenceもイタリアのバンド。あとFrom the Dying Skyというバンドがいて、こちらの音源を手に入れるのはちょっとむずかしいかもしれない。(ReprisalとSentenceはまだ新品で買える。)

ミリタントといわれるハードコアのくくり(フュリー・エッジは音を指す、音のカテゴリと言えるがミリタントはもう少し大きいカテゴリのようだ。)に入れられる。Millitantというくらいだから音は攻撃的で、とくにSlayer直系といわれるくらいにリフを単音で組み立てるのがフューリー・エッジ。同郷ということでReprisalに似ているが、こちらのほうが体感速度は速めに感じられる。こちらはボーカルは1人でかすれた声のボーカルは声は高めだが中音も抑えていてかなりドスが効いている。
やはりアコギをフィーチャーした楽曲を混ぜてきたりで単にブルータリティを追求しているバンドではない。というか叙情派ニュースクールを筆頭に引き合いに出すまでもなく、メタルなどの他ジャンルから要素を引っ張ってきて何かしらの”追加の表現”を試みるのが、ニュースクールなのかもしれない。頻度は多くないがつぶやくようなクリーンボーカルも導入し、そしてなにより単音リフのストレートというよりはフックのような速度を落とした豊かな表現力が、速度を至上とした初期のハードコアにはない魅力を生み出している。いわゆるイカツさだったりするのだが、単に「ゴリゴリ」のような単純な説明では圧倒的に不十分だ。そんな単純なものではない。このジャンルの中にはたとえ最終的に追求しているのがイカツさだっととしてもそれをなんとか音で表現しようとする切磋琢磨が垣間見える。フューリー・エッジの場合は低音に頓着しない単音リフがある意味では耳で判別しやすいので、実は結構前述の表現力が判断しやすいのでは…と思った。
速度を落とした低音でミュートを使ってすりつぶすように演奏する、いわゆるビートダウンのパートも、高音の単音リフからよどみなくつなげるのでそういった意味でも節ごとにメリハリがある。とにかくきっちりとしていたReprisalより、(もちろん演奏がラフ、というのではなく)もっと自由にやっているのがこちらのSentence、という感じ。

筋肉は鍛錬によってのみ発達するのであって見た目がゴリラのごときでも脳まで筋肉ということはない。このメタルコアのジャンルでもイカツさを表現するために表現力を研ぎ澄ましていてそこがやはり面白く、そして格好いいなと思う次第。ReprisalとSentenceは音源をもう一枚ずつ買っているのでそちらも楽しみ。

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